次世代住宅ポイントは、工事完了前であっても、ポイントを発行することが可能です。大規模な工事で工期が長引く場合などは、工事完了前ポイント発行申請を行い、事前にポイントの取得を行いましょう。
本記事は、リフォーム完了前や新築住宅の完成前に、次世代住宅ポイント発行申請を行いたい方向けの記事となります。工事完了前ポイント発行申請書の概要や提出方法、書類の書き方などを解説いたします。
工事完了前ポイント発行申請ってなに?
工事完了前ポイント発行申請書とは、次世代住宅ポイントを取得したい方が国に対して、「ちゃんとルールを守るので、先にポイントをください!」とお願いするための書類です。
工事完了前ポイント発行申請書の提出は、工事請負契約を締結した後から可能となりますので、書類記入と添付書類の用意をして、速やかに提出しましょう。
工事完了前ポイント発行申請ができるのは誰か
工事完了前ポイント発行申請ができるのは、下記のいずれかに当てはまる方となります。
- 新築住宅を建築する方(または発注する方)
- 新築住宅を購入する方
- 1,000万円(税込)以上の戸別リフォーム工事を発注する方
- 一括リフォームを発注する管理組合法人
- 一括リフォームを発注する管理組合の代表者(法人以外)
- 一括リフォームを発注する全住戸の所有者
リフォーム工事の費用が1,000万円(税込)未満である場合は、工事完了前ポイント発行申請ができません。
また、一括リフォームを発注する方の場合は、工事完了前ポイント発行申請がかならず必要となります。新築住宅を購入する方、戸別リフォームを発注する方とは異なり、ポイント申請額が非常に多くなるので、工事完了後の申請はできないことになっています。
工事時期の条件もあるので要確認
工事完了前ポイント発行申請をしたい方は、工事請負契約日、建築着工日、不動産売買契約日、引渡し日について、下記の条件も満たさなければなりません。
▼新築で分譲住宅を購入する方
【消費税率10%】 | |
---|---|
工事請負契約日 | 平成30年12月21日以降 |
建築着工日 |
工事請負契約~令和2年3月31日 |
不動産売買契約日 | 平成30年12月21日以降 |
引渡し日 | 令和元年10月1日以降 |
▼新築で注文住宅を購入する方、リフォームをする方
【消費税率10%】 | 【消費税率8%】 | |
---|---|---|
工事請負契約日 | 平成31年4月1日以降 | 平成30年12月21日~平成31年3月31日 |
建築着工日 | 工事請負契約~令和2年3月31日 | 令和元年10月1日以降~令和2年3月31日 |
引渡し日 | 令和元年10月1日以降 | 令和元年10月1日以降 |
工事完了前ポイント発行申請が行えるのは、上記の期間に当てはまる場合のみです。新築の分譲住宅を購入した場合だけ、満たすべき期間条件が異なりますので注意しましょう。
工事完了前ポイント発行申請の流れとは
ポイント発行申請は、行うタイミングによって申請の流れが変わります。工事完了前に行うポイント発行申請は、以下の流れになりますので、ここで簡単に確認しておきましょう。
▼工事完了前ポイント発行申請の流れ
- 工事完了前ポイント発行申請をする
- ポイント通知が届くのを待つ
- 商品交換の申し込みを行う
- 完了報告書を提出する
工事完了前ポイント発行申請は、工事請負契約を締結した後(分譲住宅を購入する場合は、売買契約を締結した後)から、申請が可能となります。申請を行った後は、ポイント通知のハガキが届きますので、記載された申請情報やポイント数に間違いがないかご確認ください。
商品交換の申し込みは、以下の3つの方法で行うことが出来ます。
ポイント交換申請をして商品が届いた後は、完了報告書の提出を行いましょう。完了報告書についての詳しい解説はこちらに記載しています。
工事完了前ポイント発行申請の流れは、以上の4ステップです。
ただし、新築の分譲住宅を購入する方の中で、先に新築住宅の分譲事業者が「ポイント予約申請」を行っている場合に限っては、分譲住宅の購入者本人がご自身で申請を行うことはできないため、売買契約後に分譲事業者、もしくは販売事業者による代理申請が必要となります。「ポイント予約申請」については、新築住宅の分譲事業者に状況をご確認ください。
工事完了前ポイント発行申請の方法は?
次世代住宅ポイント制度では、定められたルールに従ってポイント発行申請を行う必要があります。ポイント発行申請を正しく行うために、書類の入手方法と書き方、その他同封すべき添付書類を確認しましょう。
工事完了前ポイント発行申請書の入手方法
工事完了前ポイント発行申請書の取得方法は、2通りです。
- 事務局ホームページからダウンロードする
- 受付窓口で受け取る
工事完了前ポイント発行申請書は、次世代住宅ポイントの事務局ホームページからダウンロードが可能です。あらかじめ書式が決まっておりますので、必ず上記どちらかの方法で事務局指定の工事完了前ポイント発行申請書を取得してください。
事務局ホームページからダウンロードする場合は、PDFファイルが開けるパソコンをご利用ください。PDFファイルが利用できない方は、次世代住宅ポイントの受付窓口で工事完了前ポイント発行申請書を受け取るといいでしょう。
受付窓口は事務局ホームページから検索することができます。
工事完了前ポイント発行申請書の書き方
工事完了前ポイント発行申請書の枚数は、計4枚です。簡単に、記載すべき項目を整理しましょう。
項目を大まかにまとめると、以下のようになります。
- 申請者の氏名
- 書類作成日
- 申請者の住所、電話番号
- 他の補助金との重複確認
- 発注した事業者数
- 契約した工事請負先
- 工事施工者の建設業許可番号
- 工事施工者の担当者情報
- 販売事業者の宅建業免許番号
- 販売事業者の担当者情報
- 完了報告の予定時期
- 申請する新築住宅(リフォーム住宅)の所在地
- 住宅の用途、種別
- 適用される消費税率
- 契約の締結日、建築着工日(引渡予定日)
- 該当する次世代住宅ポイント数
上記の項目は、工事施工者や販売事業者からもらうことが出来る、工事計画書や性能証明書などを参考にしてご記載ください。
ただし、工事完了前ポイント発行申請書の項目は変更となる可能性がありますので、あくまでもイメージとしては把握しておくといいでしょう。
また、本人に代わって代理者が工事完了前ポイント発行申請を行う場合は、代理申請者の氏名、住所、電話番号を記載した後に書類への押印が必要となります。押印をすることにより、工事完了前ポイント発行申請書の記載内容に間違いがないことを代理申請者が証明したことになります。万が一、記載内容に不備等があった場合は、申請者本人ではなく代理申請者に連絡がきますので、記載内容は事前にしっかりと確認しておきましょう。
同封すべき添付書類について
工事完了前ポイント発行申請をする際には、かならず添付しないといけない書類がありますので、合わせて確認します。
工事完了前ポイント発行申請の添付書類には、全員が提出する書類と該当者のみが提出する書類に分かれます。
▼全員が提出する書類
- 工事請負契約書(不動産売買契約書)
- 工事計画書(販売内容計画書)
工事請負契約書と工事計画書は、ポイント発行申請書と同時に提出しなければならない重要な書類です。工事施工者に要請し、入手のお手続きを行ってください。
ただし、新築の分譲住宅を購入した方に限っては、「不動産売買契約書」と「販売内容計画書」をご提出ください。
▼該当者のみが提出する書類
- 建築基準法に基づく確認済証
- 住民票の写し
- 本人確認書類
- ポイント予約通知
- 住宅証明書等
- 不動産売買契約書
- 解体工事の請負契約書
- 不動産登記 全部事項証明書
- 不動産登記 閉鎖事項証明書
- 建築台帳記載事項証明書
- 次世代住宅ポイント制度用耐震性能証明書
- 産業廃棄物管理票のB2票
- リフォーム工事金額申告書
- 安心R住宅調査報告書
- 管理組合の総会等議事録、管理規約
該当者のみが提出する書類は、上記の通りです。すべてを提出する必要はありません。提出すべき書類は、取得した住宅の性能や設備に応じて異なりますので、詳しくは次世代住宅ポイントの事務局ホームページでご確認ください。
また、上記書類の入手方法は、書類によって異なります。工事施工者、市区町村、法務局などに依頼する場合と、ご自身で用意する場合がありますので、書類の入手方法についても合わせて次世代住宅ポイントの事務局ホームページで確認しましょう。
ポイント発行申請の受付期限
次世代住宅ポイントの申請ができるのは、令和2年3月31日までとなります。
ただし、次世代住宅ポイント制度は予め予算が定められているため、国が予定しているポイント発行数の上限を超えた場合は、早々に申請を締め切ってしまう可能性があります。
そのため、次世代住宅ポイントの申請は工事完了を待ってから行うよりも、工事完了前に事前申請をするのがおすすめです。
よくある質問
最後に、次世代住宅ポイント制度の工事完了前ポイント発行申請について、よくある質問に回答いたします。本記事の内容を読んだ上で、さらに不安点がある方は、こちらもぜひご一読くださいませ。
工事完了前ポイント発行申請はした方がいいの?
工事完了前ポイント発行申請には、以下のようなメリットがあります。
- 人気商品の品切れを回避できる
- ポイント申請期限の超過を防ぐことができる
工事完了前ポイント発行申請を行うと、完了報告書の提出が必要になるので、その分だけ手間がかかります。しかしながら、上記のようなメリットもありますので、絶対に欲しい商品がある方や申請期限の超過が不安な方は、工事完了前ポイント発行申請を活用し、確実にポイントを取得しておきましょう。
完了報告書を提出しなかったらどうなるの?
完了報告書はかならずご提出ください。工事完了前ポイント発行申請を行ったにもかかわらず、完了報告書の提出を行わなかった場合は、発行されたポイントが無効となります。
すでに使用してしまったポイントについては、ポイント相当額(1ポイント=1円)の返金が求められますので、注意しましょう。
完了報告書については、こちらの記事でも紹介していますので、合わせてご確認ください。
【完了報告】工事が終わったら提出すべき完了報告書の書き方と入手方法、添付書類について。
すまいる給付金や住宅ローン減税と併用できる?
すまいる給付金や住宅ローン減税などの補助制度は、次世代住宅ポイント制度との併用が可能です。ただし、地域型住宅グリーン化事業などの補助制度は併用ができません。
代表的な制度の併用可否については、以下の通りです。
▼新築住宅における例
併用可能 | すまい給付金 |
住まいの復興給付金 | |
外構部の木質化対策支援事業 | |
併用不可 | 地域型住宅グリーン化事業 |
ネット・ゼロ・エネルギーハウス支援事業 | |
ネット・ゼロ・エネルギーハウス(ZEH)化による住宅における低炭素化促進事業 |
補助制度の併用可否について、詳しくは次世代住宅ポイントの事務局ホームページでご確認ください。
▼リフォーム工事における例
併用可能 | キャッシュレス・消費者還元事業 |
条件によっては併用可能※ | 外構部の木質化対策支援事業 |
長期優良住宅化リフォーム推進事業 | |
住宅・建築物安全ストック形成事業 | |
地域型住宅グリーン化事業 | |
ネット・ゼロ・エネルギーハウス(ZEH)化による住宅における低炭素化促進事業 | |
次世代省エネ建材支援事業 | |
高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業 | |
家庭用燃料電池システム導入支援事業 |
※併用可能条件:本制度で対象とするリフォーム工事の請負契約と、上記補助制度で対象とする請負契約が別である場合のみ。
詳しくは、次世代住宅ポイントの事務局ホームページでご確認ください。
まとめ
工事完了前ポイント発行申請は、リフォーム完了前や新築住宅の完成前に、次世代住宅ポイントを取得したい方が行う手続きです。この申請を行った方は、工事完了後に「完了報告書」の提出が必須となりますので、忘れずに申請書の記載・提出しましょう。さらに、リフォーム工事を発注した方は、完了報告時に工事前後、または工事中の写真提出をしなければなりませんので、かならず撮影しておきましょう。
本記事では、工事完了前ポイント発行申請について大まかな内容をまとめています。書類の書式などは随時変更となる可能性があり、本記事の情報が最新情報ではないこともございますので、最新情報や詳細については、次世代住宅ポイント事務局の公式サイトをご確認ください。
▼次世代住宅ポイント事務局
ホームページ:https://www.jisedai-points.jp
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